鳥と私と少しの詩と

日々の生活や、自然の中で感じたことを詩にしたり、エッセイにしたりしています。

ヒバリは鳴く3


橋の上で
水の流れを見ていた
水と一緒に流れゆく水藻
鈍い光に輝く川面


橋の上で
下に流れる川を見ていた


彼女はもう歩くこともままならなく
車の中で
一人
待っていた


時は
時は、流れていく
あの川の水のように
あとからあとから
止めることなどままならず
手の中をすり抜ける砂みたいに
時は流れる


私たちは
その前で
無力にたっているしかない、何もできず立ちすくむしかない


ヒバリよヒバリ
お前の鳴き声を
その生きているという喜びを
その喜びを
彼女に聞かせてやってくれ
後、もう少し、後、もう少し、
一緒にいられるように
お前のその鳴き声で彼女の顔に
笑みが戻ってくるように
後、もう少し、もう少し
この幸せがつづくように
ヒバリよヒバリ!