ふるさと
私は小包の住所をかいていた そして 北海道という字を書いた瞬間、 ああ 雪がふるのだ 雪が、あとからあとから、降りしきる この雪のない灰色の空に、この家の中に、私の中に 雪は、あとからあとから降りしきるのだ 雪を見たのはいつだっただろうか 雪に触ったのはいつだったろうか 私の心の中に雪がしんしん降... 続きをみる