わからないけれど
わからないけれど 春になると 黄色のダッフディルの花がさき あっちの野原も一面の黄色の花 隣の町も一面の黄色の花 どうしても思わずにはいられない 地中の中で 声をかけあってるとしか 「さあ いくよ」 「ちょっと、待っててね、後で行くよ」 「せーの」 声を掛け合っているような気がしてしょうがない 木... 続きをみる
木
大きな木 すーと空に向かって立って 先がみえないほど 大きな大きな木 小さなハナが木を見上げる 「おーい。上の眺めはどんなだい。」 風がバサーッと吹く 「ああ、今日はいい日だよ、空がどこまでも広がってる。おーい、下の眺めはどんなだい。」 ハナがとびはねて、走り回る 「昨日は雨が降って、地面はぬれて... 続きをみる
意味
木漏れ日の隙間を通して 目に染みる空の青さ 森の中で ふっと 目があったその小鹿の 目の中のなにか、暖かいもの 朝の散歩で 突然目の前に出てきたブラックバード 小さな消え入るような足跡 一粒のすきとおるようなしずく 大木の木肌から落ちたそのしずく 世界をうつしだすそのしずく 意味がないといえば終わ... 続きをみる
音
時に この、静けさの 音に耳をすます 時に この、沈黙の 音に耳をすます 時に この、あなたの 心のつぶやきに耳をすます 時に この、私の中の 混沌に、言葉にできないこの叫びに 耳をすます
そこまで
行こうと思うから つらいんだよね そこに行こうとさだめるから そこまで散歩しようとおもうと なんか変わる 世界がぱっとひらける ハナはそこまで行こうなんて思っちゃいない ただ、ただ、散歩をしてるのだ 散歩を楽しんでる くんくん花の匂いをかんで 犬とあそんで 川に入って そし... 続きをみる
ハナ
ハナと私たちが名前を決めて その犬は、今年で5歳 ハナよハナよ いろいろなことに気づかされるね 例えば、 多くをのぞんじゃいけないとか 選択して手放すことの大切さ お前は 一つの宝を口にしたら、 もう一つの宝を見つけても いつも、どちらにするか選択しなければならない 口は一つだものね 私たちといえ... 続きをみる
秋
暑さの中に 一瞬、風が、おひさまが違うと感じる時があるのだ すうーと、 空気がりんとする 光がにぶくなる 秋なのだ。 秋、秋 キノコの炊き込みご飯 サンマを焼いて 栗ごはんも などなど そわそわさせる そうそわそわさせる秋なのだ