ツバメ
ツバメが今年もやってきた。近くのトイレに去年みたいに巣を作った。去年は三つ、でも今年は一つ。 ツバメの巣をみた 若い生まれたばかりの五羽のひな 顔だけだしてこっちをみてる、 母さん父さんが来るのをいまかいまかと待ってる 連日続いた雨、しとしとと降り続き 数日後見ると、三羽のひなが巣の中からちょこん... 続きをみる
ヒバリは鳴く3
橋の上で 水の流れを見ていた 水と一緒に流れゆく水藻 鈍い光に輝く川面 橋の上で 下に流れる川を見ていた 彼女はもう歩くこともままならなく 車の中で 一人 待っていた 時は 時は、流れていく あの川の水のように あとからあとから 止めることなどままならず 手の中をすり抜ける砂みたいに 時は流れる ... 続きをみる
ヒバリは鳴く2
ヒバリが この灰色の空を 高く高く飛び上がり 鳴くのだ 何も未来に見えないような この灰色一色のこの空の 高く高く 目を凝らして見ても 何も見えない 灰色の空の そんなにも高いところで でも、声が聞こえる、 その声は、 何かに似ていて 何かを思い出させて ああ、そうだ、あの時の あの、青い青い空と... 続きをみる
ヒバリは鳴く
ヒバリは 空高く、 ずーと高く上がって 鳴く ピチュピチュ、ピチュピチュと 木に止まるんでもなく、土の上にいるのでもなく 空の高く、高く上がって、 空中で鳴く、精一杯なく そして、それには ヒバリなりのわけがある 私なんかにはわからない立派なわけがある そう、そうして ヒバリは空高く上り 今日もま... 続きをみる